最近よく見る「パラベンフリー」や「防腐剤フリー」
コスメ売り場には、こう書かれたものをよく見かけますね。
これだけ見ると、なんとなく“パラベンは防腐剤だから肌に悪いんだろうな…”といった印象を持ってしまいますね。
まずは事実をご紹介
・パラベンフリーが全てお肌に良いとは限らない
・パラベンは防腐剤の一種
・「パラベン」がアレルギーの人は使わない方がよい
・逆に「アレルギーでない人」は使っても問題ない
・パラベンを使っていないコスメには他の防腐剤が入っている
実は普通に食品にも入っている。
コスメだけ気にしても意味がない…
パラベンとは、防腐剤の役目を果たす成分で、コスメ以外にも食品にも幅広く使用されています。パラベンは化粧品の腐敗や変色を防ぐ役割があり、コスメの多くはパラベンのおかげで長く品質を保つことができます。
パラベンは成分名称では「パラヒドロキシ安息香酸」などですが、しょうゆ、果実ソース、酢、清涼飲料水及びシロップ、果実及び果菜の表皮に使用することができる食品添加物です。食品衛生法第10条に基づき、食品添加物として認められています。
いつからパラベンがワルモノに?
パラベンがあまり良い印象を持たれなくなったのは、以下の2つの噂が出た頃からです。
【噂その1】
以前イギリスで「パラベンは乳がんリスクがある」と噂されたことが発端です。しかし、アメリカや欧州で研究が進み「その事実はない。まったくの非科学的なデマである」と否定されて終わりました。
【噂その2】
現代では、科学的根拠のない極端で分かりやすい噂だけが広まり、訂正された事実がなかなか広がらないことは多いです。むしろ「パラベンフリー信者」は未だに多く、その手の商品はヒットし続けています。
化粧品は腐りやすい。
パラベンフリーなら他の防腐剤を使うだけ
そもそも化粧品には、油分と水分が多く含まれているため、普通は腐りやすいものです。また、薬機法で未開封のまま製造日から3年間の品質保持が義務付けられているため、防腐剤は必要不可欠と言えます。もちろん粉末タイプや使い切りタイプなら防腐剤フリーでも成立しますが、大抵はパラベンフリーのアイテムには、パラベン以外の防腐剤は入っているものです。
パラベンアレルギー出ない方はパラベンを使っても問題ない
パラベンは配合濃度は1%未満と法で定められていますので、アレルギーではない方は心配する必要はありません。
むしろ、防腐剤が入っていない場合は、開封したそばから油脂が酸化し、雑菌が繁殖し始めます。おそらく1ヵ月もすれば“塗った方が肌荒れする”という恐怖のコスメになり得ます。プロとしてコスメを扱う立場で考えると、防腐剤フリーより怖いコスメはありませんね。
「パラベンフリー」のコスメによく使われる防腐剤
パラベンの代わりによく使われる防腐剤は、
・BG(ブチレングリコール)
・ペンチレングリコール
・エチルへキシルグリセリン
などです。
これらはアルコールに属する物質です。
パラベンフリーで肌荒れ?
“あるある”ですが、アルコールアレルギーの方がパラベンフリーのコスメを使って肌の調子が悪くなる場合は「パラベンの代わりに防腐剤として使われている大量のアルコール成分」が原因だったということもあります。
コスメ選びにおいて「肌に優しい」はあくまでウォント。マストは「なりたい肌に近づくか」です。
昨今では、とにかく「お肌に優しいコスメ」が崇拝されていますね。。先日もコスメショップで、脂性肌の方が自分用に「赤ちゃん向けスキンケア商品」を買っていくのを何度も見ました。。
そのコスメがいくら肌に優しくても、効果が出なければ意味がないので、やはり大切なことは「自分の肌にあっているか」かなと思います。
もちろんパラベンアレルギーの方はパラベンフリーを使った方がいいですが、アレルギーではない方はパラベンの有無は「気にする必要はない」が結論になります。パラベンフリーを意識しすぎて、コスメ選びの選択肢を狭めて、ちょっともったいないですね。
dbdirでは「パラベンフリーだから」といった非科学的な理由でコスメをオススメすることはありません。



